緑内障
緑内障ってどんな病気なの?
緑内障は視野が欠けていく病気で、中高年の失明の原因として二番目に多い病気です。
緑内障の最も怖いところは、ほとんどの場合自覚症状がないまま進行してしまうことです。
40歳以上の方の17人に1人が緑内障にかかっていると言われていますが、そのうちの90%の人が治療を開始していません。
このデータは緑内障がいかに自覚症状の無い病気なのかを物語っています。
緑内障を発見するには
緑内障を早期に発見するには、40歳を過ぎたら眼科で定期的に検診を受けることです。
緑内障はハッキリとした自覚症状が無いままに進行するので、「物が欠けて見える」という症状が現れている時点で緑内障がかなり進行している場合が多いのです。
一度害された視野は元には戻せません。ですから定期的に検査を受けて早期発見に努めて欲しいのです。
実際に「会社の健康診断で指摘を受けた」という理由で検査されて、緑内障だとわかる方も数多くいらっしゃいます。
「特に不自由もしていないのにわざわざ検診なんて面倒だ」というお気持ちもよく分かりますが、不自由を感じてからでは取り返しのつかない状態である病気ということをご理解ください。
どうか面倒がらずに1年に1~2回は定期検診を受けていただきたいと思います。
緑内障の定期検診では以下のような検査を行います。
- 眼圧検査 ⇒ 角膜に空気やセンサーを当て、眼圧(眼球の固さ)を調べます。
- 眼底検査 ⇒ 検眼鏡や眼底カメラを用いて、眼底の視神経に異常がないか調べます。
- 視野検査 ⇒ 視野計測の機械を使い、視野が欠けていないか調べます。
緑内障で視野が欠けていくイメージ
緑内障に侵されると視野が徐々に欠けていきます。
初期 : 自覚症状はほとんどありません。
中期 : 自覚症状がない方も数多くいます。
重度 : 周りの視野が欠けています。
緑内障で視野障害が生じた場合、実際は見えないところが黒くなっていることを自覚することはほとんど無く、霞がかっているように感じることが多いです。
緑内障の治療方法
緑内障の治療は病気の進行を食い止めることが目標となります。一度障害を受けた視神経を元に戻す方法は無いからです。
最も有効な方法は眼圧を低くすることで、そのために投薬治療・レーザー治療・手術を行い、経過を見ていく方法が一般的です。
【投薬治療】
眼圧を下げるために使われる薬は主に房水(目の中にある血液の代わりとなって栄養を運ぶ液体のこと)の流れを良くする薬です。
まず1種類の点眼薬からはじめて、様子をみながら、途中で薬を変えたり、場合によっては2~3種類の薬を併用することもあります。
点眼薬だけでは十分な効果が得られない場合、内服薬を併用することもあります。
急性緑内障の場合や投薬治療で眼圧コントロールが不十分な場合、レーザー治療や手術を検討します。
【レーザー治療】
レーザーを虹彩(眼球の血管膜の前端部で、角膜の後方にある環状の膜)にあてて穴を開けたり、綿維柱帯にあてて房水(目の中にある血液のかわりとなって栄養を運ぶ液体のこと)の流出を促進します。
比較的安全で痛みもほとんどなく、入院する必要もありません。
【手術】
房水の流れを妨げている部分を切開し、流路をつくって房水を流れやすくする方法や、毛様体(眼球の水晶体を輪状に取り囲む組織。水晶体の厚さを変えて屈折度を調節し、像の焦点を合わせるはたらきをする)房水の産生を押さえる方法などがあります。
上記の中からどのような治療法を選択するかは、患者様お一人お一人の症状や進行具合によって変わってきます。
まずは、眼科を訪れて、検査を受けてもらい、現状を正確に把握することが肝心です。